Posts Tagged ‘バスク語通訳’

音を文字で表す

Wednesday, April 23rd, 2008

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欧州人の名前を日本語に翻訳するという作業は実際には音訳になり、語順も外国語の順番が変わることはありません。日本語には外国の言葉を記す便利なカタカナという文字があるので、この作業は簡単です。しかしながらこれが中国語への翻訳となると、一筋縄ではいかないようです。
名前はローマ字のままで漢字に置き換えることはしないというのが基本だそうです。ところが名刺などに自分の名前を記す際に、漢字を使って欲しいという希望者が多く、翻訳者はなるべく原音に近くてイメージが良い漢字を探すのに苦労することになります。これはカタカナ表記でも同じですが、もともと共通の音を持たない二つの言語を他方の文字を使って音で表すというのには限界があります。バスク語にはスペイン語にない“ツァ、ツィ、ツ、ツェ、ツォ”の音があり、それぞれ“tza, tzi, tzu, tze, tzo”の文字で表されます。現代日本語の書きことばをローマ字で表記する体系を国際的に確立したISO3062に準拠すれば日本語の“つ”は、“tsu”で、例えば津波は“tsunami”。“tsu”はバスク人にとって日本語にすれば“チュ”に近い音なので、どうしても発音すると“チュナミ”になってしまいます。一時期ニュースで頻繁に“チュナミ”と発音されていた時には、仕方がないとはいえ“tzunami”と表記されていれば、バスク人ならちゃんと“ツナミ”発音できるのに…と音を同じ文字の物差しで表せない文字の限界を感じました。ただしマドリード発の日本語新聞がバスク警察Ertzaintzaをエルチャンチャと書くのは限界ではありませんね。
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Tiponambo キクイモ

Tuesday, February 12th, 2008

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アラサテ-モンドラゴンの市場には毎週金曜日、近隣の農家の人たちが野菜や卵、自家製のパンなどを売りにきます。先日有機栽培の野菜の中に写真のような見慣れないものを見つけました。スペイン語では Tiponambo (ティポナンボ)食べ方は千切りに、してサラダにして食べるのが一般的だそうです。インターネットで調べてびっくりしました。日本にもあることがわかったからです。Tiponamboからエルサレムのアーティチョークとたどっているうちに日本語にたどり着き、日本ではキクイモと呼ばれていることがわかりました。日本語のインターネットには、由来、食べ方、効能などなど、たくさんの情報が出ています。味はゴボウに似ていますが、食感はクワイに似ています。ジャガイモとニンジンわずかなサツマイモ以外には地下茎の野菜をみかけないバスクでは貴重な素材かもしれません。

      Topinambo
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生きてる?

Friday, November 2nd, 2007

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昨日11月1日は、日本では万聖節と呼ばれる諸聖人の祝日(すべての聖人と殉教者を記念する日)、そして今日2日は死者の日です。この二日は多くの人が亡くなった人の墓を訪ね、花を供えます。
死者と言えば、バスク語で、しばらく会わなかったり消息がなかったりしたときに、元気かどうかを「BIZI IZAN」の形で尋ねます。意味は、「お元気ですか」ですが、直訳すると「生きていますか」なので、初めて聞いたときは、冗談めかしてそういう表現をしているのかと思いました。
「BIZI IZAN」は、自動詞で主に、生きる(例えば、この花は病気だがまだ生きている)、住む(例えば、ビルバオに住んでいる)、暮らす(例えば、さびしく暮らしている)、存続する(例えば、一日限りのバラ)などの意味があります。
特に年配の方の安否を尋ねる状況で、この表現を聞くと一瞬ドキッとしますが、それは日本人の感覚。
ただし、元気?、調子はどう?などの通常のあいさつでは、「ZER MODUZ?」を使います。
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イカストラ・フェスタ

Monday, October 22nd, 2007

昨日、ナファロア(ナバーラ州)でのイカストラ・フェスタ(イカストラ祭)が好天に恵まれ、盛況のうちに終わりました。今年はナバーラ自治政府教育大臣が始めてこの祭りに参加したことが大きなニュースでした。これで2007年のバスク各地のイカストラのフェスタは、すべて終了したことになります。
イカストラとは、バスク語で教育を行う独立経営学校のことで、バスク人の特性、バスク語、バスク文化を促進することを目標にしています。
このお祭りは、基本的に一つの町に散歩ルートが設けられ、その間にコンサート会場、さまざまな店や飲食場、遊び場が作られ、野外で一日を過ごすものです。そこで販売されたものの収益金がその町のイカストラの資金となり、校舎の増設、新しいプロジェクト費用などに充てられます。
開催地は、各県のイカストラ連盟が決定し、開催地になったイカストラはおよそ1年をかけて準備を行うそうです。フランス側はイパラルデ全県が毎年サンペレで開催しています。
それぞれが独自のお祭りイベント名とテーマ曲をもっています。ビスカイア県 イビラルディア(Ibilaldia)、ギプスコア県 キロメトロアック(Kilometroak)、アラバ県 アラバ、エウスカラス(Araba Euskaraz)、ナバーラ県 ナファロア オイネス(Nafarroa Oinez)、イパラルデ(フランス側バスク)エリウラツ(Herri Urrats)。
昨日のナファロア オイネスのように好天に恵まれると良いのですが、野外のイベントのために雨になるとどうしても参加者の数が増えません。その日一日のために1年間準備したことは決して無駄ではないのですが、テレビで天候に恵まれなかった子供たちが泣いているのを見るのは、つらいものです。
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翻訳の表記

Tuesday, October 16th, 2007

日本語への翻訳は、基本的に新聞・放送関連の用語用字の決まりに従った表記に努めています。(興味のある方は共同通信社記者ハンドブック新聞用字用語集、時事通信社用字用語ブック、読売新聞用字用語の手引、毎日新聞用語集、朝日新聞の用語の手引などをご覧ください。)
特に翻訳の場合に気を付けなければならないのは、名前や地名の表記です。どうしてもカタカナで表現できない音があったり、昔からの言い方で定着しているものがあったり、一筋縄ではいかないことがあるからです。
まずスペイン語の地名の例を挙げると、Madrid は上記の本などに従って「マドリード」と表記します。しかしスペイン語ではマドリッ+舌を噛んで(かんで)出す音が実際の音です。ですから最後の「ド」という音は日本語のドではないのですが、一般にマドリッドという表記も使われています。
フランシスコ・ザビエルが生まれた地があるナバーラ州。原音はナバラなのですが、日本人はナバラと頭高(あたまだか:二番目の音を一番目の音に比べて低く発音すること)に発音するので、スペイン大使館をはじめ通常ナバーラと表記します。スペイン語のアクセントを生かす方策として、スペイン語ではよく長音「―」が使われます。
おなじみの「パエーリャ」も同じです。
「パエーリャ」と言えば、「パエーリャPaella」と「リビエジョRiviello」、どちらも最後に「LL」がありますが日本語表記は異なっています。これは“「LL」は「リャ」、「リュ」、「リョ」と書く。南米では「ヤ」行の音ないし「ジャ」、「ジュ」、「ジョ」の音になる”とされているからです。また現地ではセビーリャと発音される「Sevilla」は、例外として「セビリア」と表記するようになっています。
なかなか一筋縄ではいきませんね。地名は翻訳の重要な部分ではありませんが、一人よがりの表記にならないよう、最後にチェックする項目の一つになっています。
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バスク人の名前

Tuesday, October 2nd, 2007

日本人の名前に移り変わりがあるように、バスク人の名前にも変化が見られます。
特にバスク語弾圧後、バスク語の名前が増えたのは大きな変化です。
以前のスペイン語聖人から採った名前からバスク語独自の名前が増えています。
例えば、女性のMAIDER(マイデール), AMAIA(アマイア)、MAITE(マイテ)、LEIRE(レイレ) 男性のANDER(アンデール)は人気のある名前です。
また自然から採った名前もたくさんあります。
男性の名前でODEI(オデイ、雲の意)、HARITZ(アリツ、カシまたはナラの木の意)、IBAI(イバイ、川の意)、EGUZKI(エグスキ、太陽の意)、HARKAITZ(アルカイツ、そそり立った岩の意)、HAITZ(アイツ、岩の意)、UR(ウル、水の意)など。
女性の名前で、ITSASOまたはITXASO(イチャソ、海の意)、IHINTZA(イインツァ、露の意)、IRARGI(イラルギ、月の意)、IZARRA(イサラ、星の意)、KAI(カイ、港)、LAINO(ライノ、雲の意)など。
共通の名前としてHAIZE(アイセ、風の意)、EKAITZ(エカイツ、嵐の意)などがあります。
そのほか、URDIN(ウルディン、青)、ZILAR(シラール、名詞の銀、形容詞の輝く、汚れのないなどの意)、ZORION(ソリオン、幸福、幸運の意)、ALAI(アライ、陽気な、ほがらかなの意)、EZTIA(エスティア、名詞の蜂蜜、形容詞の甘い、快いなどの意)もあります。
外国の名前を付ける例もあり、日本の名前としIKEYA(池谷、イケヤ彗星から)、SAYURI(小百合)さんがいます。

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バスク語学校

Tuesday, September 25th, 2007

バスク語学校の新学期は10月。夏休みが終わると、大人のためのバスク語学校の案内が、ラジオから聞こえ、ちらしやポスターを使った宣伝も盛んに行われます。
2006年のバスク統計局の資料によると、2001年の調査ではバスク住民の半分以上(55,4%)が、バスク語について何らかの知識があると答えています。その中でバスク語を難なく話し理解できる人は32,3%、苦労して話し理解する人は23,1%です。3人に1人だった1981年の調査と比較して、バスク語の回復・保持が進んでいることがわかります。しかし同時に他の言語が通用する中で、一度弾圧された言語を再び回復させる道のりが簡単ではないこともうかがえます。
HABE(Helduen Alfabetatze eta Berreuskalduntzerako Erakundea大人のための読み書きとバスク語話者回復教育組織)によると2007年10月から2008年の1年間にバスク語学校で学ぶ人の数はおよそ4万人。そのうち女性が69%、男性が31%。年齢層は26歳から45歳で、全体の28%が36歳から45歳だそうです。職業は26%が自由業、技術者、専門職、19%が公務員、10%が教師、残りがさまざまな職業と学生が占めています。

HABE公認バスク語学校ネットワークには、109の公私の学校と寄宿学校があります。通常学校は、月曜から金曜日まで毎日2時間。月曜から木曜日まで一日2時間半のクラスもあります。またシフトで仕事をしている人たちのために朝、夕同じレベルのクラスがあるのが普通です。ゆっくりしたスペースで話すことを重視するクラス、EGA(バスク語能力証明)取得のための検定試験を目指したクラス、学校やクラスにもそれぞれ特徴があります。
寄宿学校はその名の通り、寝食をともにしながらバスク語を使って生活します。最低期間1カ月(週末は帰宅)。学習のほかにバスクダンスやムースと呼ばれるトランプなどの課外活動、語り部の話やベルチョ(即興詩)鑑賞などもあります。

どの言語を学ぶにも忍耐力が必要ですが、バスク語がスペイン語に訳されてあっという間に説明が終わってしまうバスク語のクラスでは、母語がスペイン語ではない外国人には一層負担が大きくなることもあります。
直接教授法は、時間がかかる難点はありますが、翻訳を介さないために、母語の干渉を減らして、自然な言語を学ぶことができます。
個人的には、レベル5ぐらいからはスペイン語を使わない授業をしてもいいのではないかと思います。そうでなければ、いつまでもスペイン語からの発想でしかバスク語を話せない、本当にバスク語らしいバスク語が使えないのではないでしょうか。バスク語を学びたい外国人にとって、街中で誤ったバスク語(つまりスペイン語の発想でバスク語を使用するために本来バスク語では言わない言い方をする)を聞いても、正しいか正しくないかがわからないのは残念なことです。でも後4、50年もすれば大半の人がバスク語で教育を受けて、こういった問題はなくなっているのかもしれません。今の私たちは、ちょうど正しいバスク語話者増加へ続く道の途中にいるのかもしれません。
Chieko
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