翻訳の表記

日本語への翻訳は、基本的に新聞・放送関連の用語用字の決まりに従った表記に努めています。(興味のある方は共同通信社記者ハンドブック新聞用字用語集、時事通信社用字用語ブック、読売新聞用字用語の手引、毎日新聞用語集、朝日新聞の用語の手引などをご覧ください。)
特に翻訳の場合に気を付けなければならないのは、名前や地名の表記です。どうしてもカタカナで表現できない音があったり、昔からの言い方で定着しているものがあったり、一筋縄ではいかないことがあるからです。
まずスペイン語の地名の例を挙げると、Madrid は上記の本などに従って「マドリード」と表記します。しかしスペイン語ではマドリッ+舌を噛んで(かんで)出す音が実際の音です。ですから最後の「ド」という音は日本語のドではないのですが、一般にマドリッドという表記も使われています。
フランシスコ・ザビエルが生まれた地があるナバーラ州。原音はナバラなのですが、日本人はナバラと頭高(あたまだか:二番目の音を一番目の音に比べて低く発音すること)に発音するので、スペイン大使館をはじめ通常ナバーラと表記します。スペイン語のアクセントを生かす方策として、スペイン語ではよく長音「―」が使われます。
おなじみの「パエーリャ」も同じです。
「パエーリャ」と言えば、「パエーリャPaella」と「リビエジョRiviello」、どちらも最後に「LL」がありますが日本語表記は異なっています。これは“「LL」は「リャ」、「リュ」、「リョ」と書く。南米では「ヤ」行の音ないし「ジャ」、「ジュ」、「ジョ」の音になる”とされているからです。また現地ではセビーリャと発音される「Sevilla」は、例外として「セビリア」と表記するようになっています。
なかなか一筋縄ではいきませんね。地名は翻訳の重要な部分ではありませんが、一人よがりの表記にならないよう、最後にチェックする項目の一つになっています。
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